ガンマーナイフ治療とは？費用、選択、経験、思い「脳動静脈奇形になって②」
ある日、脳動静脈奇形と発見されました。いえ、「脳血管の奇形が発見されました」 が正解です。
治療としてガンマーナイフ治療を受けました。
あまり知られていないガンマーナイフ治療を受けた経験 や、そこで出会った人達 、メリットとデメリット などを書いています。 私自身の記憶として、そして、同じ病気で悩んでる方に役立てればいいな～と思います。
ガンマーナイフ治療を受ける理由「脳動静脈奇形見つかる」
脳動静脈奇形になりました・・・いえ、見つかったが正解ですね。
何故なら、脳動静脈奇形とは胎児の時～生まれた初期の形成された一部の脳血管の状態のことです。 それが、長い年月後に見つかったと言うことです。
2015年の10月のある朝に目覚めると、メリーゴーランドに乗ったときのように視界が回転すると言う、今までに無い目眩とも違う症状になりました。
ここから病院にて検査して脳動静脈奇形がみつかりました
「脳動静脈奇形になって①」⇓で記事にしてます。まだの方はどうぞ
ガンマーナイフ治療とは（脳動静脈奇形の場合）
小学生の頃に授業で虫眼鏡に太陽の光を通して一点を集中して燃やしたことあると思います。 ガンマーナイフ治療はとっても似ています。
放射線のガンマー線のビームは弱いですが、多方向から一点集中してあてる事で病巣のみを破壊することが出来ます。
ですので、病巣以外の正常な部分を傷つける事無く治療が出来ます。
大阪市立総合医療センターより（画像）
私の場合は、もうひとつ前の機器でったと推測されます。写真は2020年からの新しいガンマーナイフ画像
ガンマーナイフ治療の前に必要な頭部血管造影検査
私の受けた治療はガンマーナイフなんですが、治療の前に、とっても細いカテーテルを、足の付け根の動脈から侵入させて「造影剤」注入し、頭の血管の詳しい様子を調べる検査が必要でした。それが頭部血管造影検査 です。
頭部血管造影検査 の何が凄いって、造影剤を注入された瞬間は熱湯を血管に注がれて頭に流された感じです。
目はつぶってる状態なのに目の眼球の中が見える感じです。
生きながら「身体を燃やされると時はこんな風景が見えるのかもしれない」と思いました。脳の造影剤は凄いです。
脳動静脈奇形の治療は大きく分けると外科手術とガンマーナイフ治療の2つありますが、実は他にも治療法があります。 脳動静脈奇形に対する血管内治療と言うのがあります。 頭部血管造影剤検査 と同じく細いカテーテルを使用しますが、血管内治療は血管奇形に対して塞栓術を行ったりします。
私の脳動静脈奇形部位は2cm以下でしたのでガンマーナイフだけの治療になりました。 しかし、患者さんの年齢や環境（スポーツしてるとか）ナイダスが2.5ｃｍ以上で手術出来ない場所だった場合など、血管内治療＋ガンマーナイフ治療 と言う治療もあるようです。
足の付け根からのカテーテル侵入の後、しばらく寝たままです。検査ではありますが1泊入院必須でした。
ガンマーナイフ治療のメリットとデメリット
ガンマーナイフ治療のメリット
大きなメリット は、頭部を開いて取り除くリスクが無くなる事です。 手術の場合は即日病巣を取り除けますが、後遺症で手や足などの麻痺の可能性があります。 ガンマーナイフの場合、ポイントで放射線をあてる治療ですので、その意味では安心です。
脳動静脈奇形(AVM),脳腫瘍,下垂体腺腫,三叉神経痛 などの病気に対応されます。
ガンマーナイフ治療のデメリット
デメリットは1番は全部消えるまでに3年ほど掛ると言う所です。
私の場合は3ヶ月後 には何も変化ありませんでした。
そこから6ヶ月後ですので9ヶ月後 は役30％無くなってました。
このあたりから私は頭痛が酷く、言葉が出なく成る事が続きました。
手術15ヶ月後 の結果、70％無くなってる状態でした。
手術21ヶ月後 の結果、90％無くなってる状態でした。
手術後2年で完治となりました。 引っ越しのため大阪から滋賀県に移動しましたから、病院移転しましたが5年間半年に1回脳のMRI検査しました。
全部まで2年かかっていますが、役1年で半分の大きさになり、凄い早さで奇形血管が無くなっていきました。
ガンマーナイフ治療の後遺症
手術のような手や足などの麻痺などの後遺症は少ないですが、ガンマーナイフ治療にも脳の浮腫などによる後遺症があります。
このあたりは部位の大きさや放射線のあて方などによって人それぞれ違ってくると思いますし、お医者さんも、後遺症が有る無いは予測できないと思います。
ここから私の場合の後遺症として説明します。
ガンマーナイフ治療後から9ヶ月～15ヶ月の半年間は頭痛 と、言葉として出せない （頭ではチーズと言ってるのに声でチーズと言えない）の時期もありました。
16ヶ月後～24ヶ月後も、だいぶマシには成りましたが同じように頭痛と言葉の表現が直ぐに出てこないのに悩まされました。
こう言う事は、病院でも先生にお知らせするんですが「そう言う状態になるとは聞かないよ～、ガンマーナイフ治療とは関係ないと思うよ～」 とかで終ります💦
また、脳動静脈奇形の方のブログなども少なかったんで、この状態が一体何なのか？大丈夫なのか？が入ってこなかったので不安でした。
■髪の毛がクリンってのテンパみたいになった事
■髪の毛の抜け毛が多くなった事（こちらは子宮全摘の影響もあるかも）
この変化も先生に伝えますが「ガンマーナイフは放射線の影響が無いから違うでしょ」 で話は終了しちゃいます。
ま～病院の先生も万能では無いんで全ての病気の全ての症状を知っているとは限らないと言うことでしょう。
それでも、私は必ず先生に今の自分に起きている症状を伝える様にしています。
後遺症がきつい時期は、言葉に出来なくて何も言えずに帰った事もありましたが、それからは先生に伝えたい内容は紙に書いて病院に行くようになりました。
私が思うに、病気は軽く考えてはダメだと言うこと。
今、もしかしたら何か病気を抱えてるかもしれないと考えて、少しでも気になることがあれば病院に行くこと。
「人は自分だけは死なない って思ってる！」
でもね…..そんなことないからね～
ガンマーナイフ治療の入院での出来事（大切な思い出）
病院の夜景
ガンマーナイフ治療は先進医療ですので私は大阪市立総合医療センターにて治療を受けました。
大阪市内ですので夜はビル群が光り輝いています。
脳神経外科の階は高い所に有り、食堂がオシャレで夜景が一望できる所でした。
もちろん大阪の夜景は今までも見たことがありますが、病院服で明日治療を受ける身で見る夜景は表現しようがない気持ちでした。
食堂で出会った方々
入院初日は、いろんな検査で落ち着いたのは夕食前でした。
私の入院する部屋は大部屋でしたが、8名入れる部屋で私ひとりっきりでした。
他の部屋に入院してくる様子もチラホラ見えたんですが、女性の方は私同様に自分一人でした。 男性も2名新しく入院されましたが奥様だと思う方が付き添いでお部屋で長らくお世話されていました。 女性は強いな～と実感した出来事です。
そうこうしてる内に食事時間。食堂に行くとマダム3名の集まりと目が合い、ご挨拶しました。
とっても明るくお話される70ー80歳ぐらいのマダム達と楽しくお話していると、病気の話も明るくお話してくれました。
そう、この病院は先進医療の病院です。
お話した中で一番重度のご病気が脳腫瘍の方でした。
「もう、三回目の手術なのよ～この病院もなれたものよ～」と明るく笑う。
違うマダム2名も私よりも重い病気なのに、何も無かったように明るくお話される姿が忘れられません。
そんな中で窓から見えるビル群の夜景を見ながら、もうお互いに会うことが無いだろう4名で楽しい趣味の話や家族の話をしてる瞬間、まるで異空間での出会いを私は忘れないでしょう。
夜の訪問者
病院の普段より早い就寝時間になり「眠れるかな～」と考え事してると、ノックもなしに扉がスーッとゆっくり開きました。 30代半ぐらいのパジャマの男性が真っ暗な病室に入ってきました。 そして、窓際までまっすぐ進み、私に気づいて、少し不思議そうな顔をしてから軽く会釈して外を唯々眺め出しました。
私オバチャンなんだけど、やっぱり恐くって走って看護師さんにお知らせしにいきました。
「ごめんね～、悪気はないの～」と3人の看護師さんが連れて出ました。
でも、一時間後にガラガラ…と扉が….。
ゆっくりゆっくり窓辺に歩いて行き、ただ外の風景お見ています。 大丈夫とも思えますが、やっぱりこの状態では寝れないんで、呼び出しボタンで看護師さんに来て頂きました。
「ごめんね。何かしようと思っての事じゃないの。今、どこに居るか不安で探してるだけなの。違う階の病室に移って貰うから安心して寝てね」と看護婦さん。
その時はね、状況的にビックリしてしまったんだけど落ち着いて考えるとね～、35歳ぐらいの見た目がハンサムな働き盛りの男性だったのね。 脳神経外科なんで何かの脳の病気だと思うんだけど、誰もが彼と同じ状態になってもおかしくないんだし、知らない男性の人生をフッと考えてしまって涙が出てきて….。
私も大きな病気経験者だし過度な同情とかはダメなんだけど、食堂でのマダム達との話の後だし、明日は自身の治療日だしで真っ暗な大部屋で一人っきりで、たくさんのこと考えた一日でした。
ガンマーナイフ治療の費用
費用ですが、明細書は確か80万円ほどと書いてあったと思います。（忘れた～）💦
健康保険3割負担ですので24万円と言うことになりますが、ガンマーナイフ治療は先進医療ですが高額療養費制度の対象ですので申請できるので「払えないかも～」とか心配しなくても大丈夫です。
入院前に市役所に行って限度額適応認定証を取りにいきました（父の入院とかで慣れてる）。 入院時に病院に限度額適応認定証を提出しましたので、退院時に8万5千円（当時は）お支払いしました。 退院後からの手続きも出来ますが、そうすると、もう一度病院に行ったりしなければ行けないなど、病院が遠い場合など大変ですので入院時に病院に提出をお勧めします。
入院できる病院などでは相談窓口などが有りますので、積極的に相談するとよろしいかと思います。
ガンマーナイフ治療の6年の今
今この記事を書いてるのはガンマーナイフ治療から6年です。
脳のMRI検査で脳動静脈奇形が消えた後も検査し続け5年で終了しました。 もし気になるときは病院に来て下さいとのこと。 後遺症と言うのは、まったく無いかと言うと嘘になるかな。
普段はしゃべれるけど、知らない人とチャットやZoomとかしたら言葉が出てこなかったり。
他に子宮癌の全摘によるリンパ浮腫の後遺症があるので、あれも、これもの後遺症で大変です。
ただ、外から見ると健康としか分らないかな～って感じです。
■まとめ（脳動静脈奇形のガンマーナイフ治療）
私がガンマーナイフ治療を受けたのは6年前になります。 ガンマーナイフも私が受けたときより更に良くなっていることでしょう。 また、他の治療も進化すれば喜ばしいです。
脳動静脈奇形は、最初に頭痛や目眩から気がつく場合もあれば、急に脳血管が破裂して初めて気がつく場合もあります。 これからの時代には、もっと小さな子供の時点で義務的に検査するシステムになればな～と希望するばかりです。 また、日本の医療の問題は後遺症の医療が進んでいないことですね。
「命が助かったでしょ。それから先は知らないよ」体制の何と多いことでしょう。
私などは、どの病気も完治してるんで書類上は元気なんですが、後遺症が覆い被さって大変です。
自分は病気にならない、自分だけは死なないは幻想です。 自分の健康の事たまに考えてみるのもいいかもですね。
漫画ラジエーションハウス6巻で小腸ですが血管奇形のお話があったのでオススメです。
ラジエーションハウス 6 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
病気を経験してたくさん考えた思い
普通って何だろ？
人の表面的な綺麗な所だけ見て、そうなりたいと思ってしまってないだろうか？
今の自分の状況を私自身がキッチリ受け止めて、自分の人生に実りある物にしていきたい。
最後に
最初に見つけて頂いた内科の先生に感謝、ガンマーナイフ治療に導いてくれた総合病院の先生に感謝、大阪市立総合医療センターで治療してくださった方に感謝、そして、その後、再婚して私の大変な時期を暖かく見守ってくれた主人に感謝です。
